WHIPとは?──投手の安定感を測るセイバーメトリクス指標

⚾ WHIPって何の略?

WHIPWalks plus Hits per Inning Pitched の略で、「1イニングあたりに出したランナーの数」を示す投手指標です。

WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回数
  • 与四球:四球(フォアボール)
  • 被安打:打たれたヒットの数

この数値が小さいほど、投手がランナーを出さずに安定した投球をしていることを意味します。

📊 WHIPの目安と評価ランク

WHIP値評価意味
〜1.00A+リーグ屈指のエース級
1.10〜1.30A安定感のある好投手
1.31〜1.40B平均的な投手
1.41〜1.50Cやや不安定
1.51以上D改善の余地あり

例:上原浩治投手は2013年にWHIP 0.57 を記録。これは驚異的な数字で、ほとんどランナーを出さない投球内容だったことを示しています。

🧠 WHIPのメリットと限界

✅ メリット

  • 投手の「安定感」を数値で把握できる
  • 先発・中継ぎ・抑え問わず比較可能
  • 防御率よりも守備の影響を受けにくい

❌ 限界

  • 死球は含まれない(四球のみ)
  • 長打と単打の区別がない(どちらも「1安打」)
  • 守備力に左右される(ヒット性の打球がアウトになる場合など)

🧪 WHIPの活用方法

WHIPは以下のような場面で活用されます:

  • ローテーション選定:安定感のある投手を先発に
  • 契約査定:防御率と合わせて評価材料に
  • スカウティング:若手投手の将来性を見極める

WHIPはERA(防御率)やK/BB(奪三振/与四球比率)などと組み合わせて使うことで、より立体的な投手評価が可能になります。

🏁 まとめ:WHIPは「投手の安定感メーター」

WHIPは、投手が「どれだけランナーを出さないか」を示すシンプルかつ強力な指標です。 数字が小さいほど、試合を作る力がある投手といえます。OPSと同様、WHIPもセイバーメトリクスの基本として、野球観戦や分析をより深く楽しむための鍵となるでしょう。

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